多くの方が「EDとは勃起しない(立たない)」ことだけだと勘違いしています。
しかしEDとは「セックス時に十分な勃起が得られないため、あるいは十分な勃起を維持できないために満足なセックスが行えない状態」のことを言います。
つまり、ペニスが満足に立たずセックスできないということです。
ですから一時的にペニスが立っても、挿入後などに途中で萎えてしまって射精ができない…
いわゆる「中折れ」もEDに含まれるのです。
日本性機能学会(旧称:日本インポテンス学会)では、性行為が4回のうち3回がうまくいかない場合をEDと診断すると定義していました。
さて、あなたの旦那さんはいかがですか?
そもそもEDって何の略?
EDを語るうえで、まず「EDって何の略?」ということにも触れておきましょう。
そもそもEDとは「Erectile Dysfunction」の略です。
日本語では「勃起障害」と訳されています。
以前は「インポテンス」とも呼ばれていましたが、1992年に開かれたNIH(米国国立衛生研究所)によるコンセンサス会議で、男性の勃起障害を表現する用語として「Erectile Dysfunction」(ED)を使うように勧告が出ました。
以来、日本でもこの用語が使われるようになりました。
ただ今日では、ED(勃起障害)という病名に変わっています。
ただし、EDはなにも恥ずかしいことではありません。
EDというだけで
・その男性に生殖能力がない
・オルガズムや射精ができない
ということはないのです。
ですので、従来の「インポテンス」という言葉よりも「ED」のほうが、この病気の状態をよく表しているいると言えます。
EDは男性なら誰でもなる可能性がある
EDだからといっても、EDは別に命に係わる病気ではありません。
ですので、多くの男性は秘密にして隠しているだけです。
※もちろん妻にも濃くあhくしないことがほとんど。
しかし、そのEDが原因となって、妻との夫婦関係がギクシャクしたりもします。
離婚へのリンク
そして、なによりEDは男のしての自信やプライドにも大きく関わってくることなのです。
勃起とはセックスの時にペニスが立つことです。
しかし、それが
・まったく勃起してくれない
・なかなか勃起してくれない
・勃起が不十分である
・勃起してもすぐに萎えてしまう
のがEDです。
ですから、EDは夫だけでなく妻にとっても大きな問題なのです。
男性なら一度や二度の勃起しなかった経験はあるはず
「俺は一度も立たなかったことはない!」
そう豪語する男性は皆無だと思います。
誰しもが一度や二度くらいは、勃起しなかった経験があるものです。
「とても疲れていてできなかった…」
「お酒を飲みすぎていてできなかった..」
男なら誰しもそんな経験があるはずです。
このように、「たまにできない時がある」という軽いもの含めると、EDは男性なら誰にも起こる可能性があると言えます。
ED治療が必要な人
たまにセックスができない時があっても
「疲れが取れたら勃起するようになった」
「お酒を飲まなければ大丈夫」
という一時的なEDなら、なにもED治療なんか必要ありません。
しかし、ペニスが立たない(中折れする)という状態が繰り返すかどうかがED治療を受けるかどうかの目安になります。
EDにもさまざまなタイプがある
ひとくちにEDといっても、EDにもさまざまなタイプがあります。
その大きな分類には
・身体に問題がある器質性ED
・身体には問題はない機能性ED
があります。
器質性ED
器質性EDとは、身体的な要因によって引き起こされる勃起障害の一種です。
器質性EDの主な特徴と原因を説明します。
器質性EDの特徴
器質性EDは、体に何らかの物理的な原因があって勃起が阻害される状態を指します。
これは心理的な要因による機能性EDとは区別されます。
器質性EDの主な原因
器質性EDの主な原因は以下の3つに分類されます:
- 血管障害
・ 加齢による動脈硬化
・ 糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病
・前立腺がんや前立腺肥大の手術による血管損傷 - 神経障害
・ 事故による脊椎や陰茎付近の神経損傷
・ 前立腺手術による神経損傷 - 内分泌機能低下
・ 加齢やストレスによるテストステロン低下
・喫煙や過度の飲酒
器質性EDの発症リスク
器質性EDは年齢とともに増加する傾向があります。
40歳を過ぎたころからED症状を自覚する人が徐々に増え、50歳以上では急激に増加します。
器質性EDの治療のアプローチ
器質性EDの治療には、原因となっている身体的問題に対処することが重要です。
例えば、生活習慣病の管理や、適切な運動、禁煙などが効果的な場合があります。
また、PDE5阻害剤と呼ばれる内服薬も有効な治療法の一つです。
器質性EDは、単なる性機能の問題ではなく、全身の健康状態を反映している可能性があります。
そのため、EDの症状がある場合は、早期に医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。
機能性ED
機能性EDは、器質性EDとは対照的に、身体的な問題ではなく心理的な要因によって引き起こされる勃起障害です。
機能性EDの主な特徴と原因を説明します。
機能性EDの特徴
機能性EDは、身体的には勃起のメカニズムに問題がないにもかかわらず、心理的な要因によって勃起が妨げられる状態を指します。
機能性EDの主な原因
機能性EDの主な原因は以下の2つに分類されます:
- 心因性ED
・ 性行為に対する不安や緊張
・ パートナーとの関係性の問題
・ 過去の性的トラウマ
・ 仕事や生活上のストレス
・ 自信の欠如や自尊心の低下 - 精神疾患性ED
・ うつ病
・ 不安障害
・ 統合失調症
・ その他の精神疾患
機能性EDの発症の特徴
機能性EDは、器質性EDとは異なり、年齢に関係なく発症する可能性があります。
特に20代30代の若い男性でも心因性のEDが増加傾向にあります。
機能性Dの症状の特徴
機能性EDの症状は以下のような特徴を持つことがあります:
- 状況によって勃起の状態が変化する
- 自慰行為では問題なく勃起できる
- 朝勃ちは正常に起こる
- 特定のパートナーや状況でのみ症状が現れる
機能性EDの治療アプローチ
機能性EDの治療には、心理的な要因に対処することが重要です。
主な治療法には以下のようなものがあります:
- カウンセリングや心理療法
- ストレス管理技法の習得
- パートナーとのコミュニケーション改善
- 必要に応じて抗不安薬や抗うつ薬の使用
機能性EDは、適切な治療や支援を受けることで改善の可能性が高い症状です。
症状が続く場合は、専門医やカウンセラーに相談することが推奨されます。
EDで悩んでいる男性はあなたの夫だけはない
実は日本のED有症率はとても高いのです。
日本のED有症率についての情報をまとめてみました。
①全体的なED有症率
日本の成人男性におけるED有症率は非常に高く、以下のような特徴があります:
– 20?79歳の男性のうち、軽度から重度のEDを含めると約2,811万人が該当します[1]。
– 中等度以上の深刻なEDに悩む成人男性は約952万人と推定されています[2]。
年齢別のED有症率
EDの有症率は年齢とともに上昇する傾向にあります:
– 30代:10.3人に1人(約9.7%)
– 40代:8.4人に1人(約11.9%)
– 50代:5.6人に1人(約17.9%)
– 60代:3.2人に1人(約31.3%)
EDの重症度別分布
2022年の調査によると、20~79歳の男性におけるEDの重症度別分布は以下の通りです:
・ 軽度ED:約596万人
・ 軽度?中等度ED:約455万人
・ 中等度ED:約312万人
・ 中等度?重度ED:約185万人
・ 重度ED:約455万人[2]。
ED人口の経年変化
1998年と2019年の調査を比較すると、完全型(重度)EDの有病者数が大幅に増加しています:
・ 2019年:約644万人(20代を除く)
これは21年間で完全型EDの有病者数が2倍以上に増加したことを示しています。
EDは年齢とともに増加する傾向にありますが、若年層でも一定の割合で発症しています。
また、生活習慣病や心理的要因など、様々な要因がED発症に関与していることが分かっています。
早期の受診と適切な治療が重要です。
今はEDも治療する時代
EDの治療は近年大きく進歩し、多くの患者にとって効果的な治療が可能になりました。
以下にEDの現代的な治療アプローチについて説明します。
ED治療の薬物療法の進歩
ED治療の中心となっているのが、PDE5阻害薬と呼ばれる経口薬です。
現在、主に3種類の薬剤が使用されています:
- シルデナフィル(バイアグラ®)
- タダラフィル(シアリス®)
- バルデナフィル(レビトラ®)
これらの薬剤は高い効果率を示し、多くの患者で勃起機能の改善が見られます。
特にシアリスは効果持続時間が長く、糖尿病に伴うEDにも有効性が高いとされています。
今はEDのオンライン診療が人気になっています。
これでED治療薬も手軽に試せる時代になっています。
生活習慣の改善
薬物療法と並行して、以下のような生活習慣の改善も重要です:
- 運動療法(ジョギングなどの有酸素運動)
- 食事療法(塩分制限、脂質制限)
- 禁煙
これらの取り組みは、EDの原因となる肥満や生活習慣病の改善につながります[1]。
EDの外科的治療
一部の症例では、動脈バイパス手術や血管拡張術などの外科的アプローチも選択肢となります。特に若年層の動脈性EDでは、これらの治療で完治する可能性もあります[2]。
EDの心理療法
精神的要因が関与している場合は、認知行動療法やカウンセリングなどの心理療法も効果的です。
総合的アプローチ
現代のED治療は、患者の状態に応じて薬物療法、生活習慣改善、外科的治療、心理療法などを組み合わせた総合的なアプローチを取ります。
これにより、多くの患者で症状の改善や生活の質の向上が期待できます。
EDは以前のように諦めるべき症状ではなく、積極的に治療に取り組むべき医学的課題となっています。
適切な診断と治療により、多くの患者が満足のいく性生活を取り戻すことが可能になりました。
ED(勃起不全)は決して夫だけの問題ではありません。 ED(勃起不全)は夫婦で一緒に考えるべき問題なのです。 なぜなら ・ED(勃起不全)によるセックスレスが離婚の危機を招くこともある ・妊活中ならED(勃起不全)は早急 …